2025年10月14日
首都圏若者サポートネットワーク「若者おうえん基金」寄付金贈呈式を開催しましたコープみらい社会活動財団(以下、コープみらい財団)は、困難に直面している子ども・若者たちを応援している「首都圏若者サポートネットワーク」の活動に賛同し、2019年より毎年「若者おうえん基金」を通じて支援を行っています。今年度は、さらなる協力関係の構築と、双方の活動を社会に発信することで支援の輪が広がるよう、「若者おうえん基金」の寄付金贈呈式を9月30日(火)に開催しました。
「首都圏若者サポートネットワーク」は、児童養護施設や里親家庭など、なんらかの事情があって公的な支援のもとで育った子ども・若者たちが、社会のなかで自らの力を発揮して生きていくことを応援する民間のネットワークです。
子ども時代につらい経験をした若者たちに寄り添って伴走型の支援行っている伴走者(団体等)を、①基金造成(若者おうえん基金)、②助成金給付、③就労・キャリア支援、④調査研究・政策提言、の4つの事業を行い、市民や民間団体の力を集めてサポートしています。
取り組みのひとつである「若者おうえん基金」は、社会的養護のもとに育った子ども・若者たちに寄り添った伴走支援を行う団体などに基金を通じて助成することで、生きづらさや困難を抱えた子ども・若者たちに支援を届けています。2018年から助成を開始し、のべ259件の支援活動に1億5,000万円以上の助成を行っています。コープみらい財団では、2019年度より毎年20万円を寄付しています。
(前方右)コープみらい 代表理事理事長 熊﨑伸
(前方左)首都圏若者サポートネットワーク 運営委員長 宮本みち子様
(後方右から)
コープみらい 副理事長 古賀摩希子
コープみらい社会活動財団 代表理事理事長 河田喜一
首都圏若者サポートネットワーク アンバサダー 山本昌子様
首都圏若者サポートネットワーク 事務局長 池本修悟様
コープみらい社会活動財団 事務局長 篠原陽子
コープみらいは「ともに はぐくむ くらしと未来」の理念のもと、持続可能な社会の実現を目指して事業と活動を推進しています。2019年度より、若者支援に取り組む「首都圏若者サポートネットワーク」の活動に賛同し、コープみらい財団を通じて「若者おうえん基金」への寄付を継続しています。この基金により、若者が困難を乗り越え、自らの可能性を広げるための一助となることを心から願っています。また、皆様と連携し就労支援にも取り組んでいますが、これからも若者が安心して自分らしく活躍できる社会をともに築いていきたいと考えています。
この度は、「若者おうえん基金」への寄付を賜り、誠にありがとうございます。一人でも多くの若者を支援するため、このような多額の寄付をいただけることは本当にありがたく感じております。
首都圏若者サポートネットワークは、2017年設立以来、主に児童養護施設等を巣立った若者の自立支援を目的として活動しています。「子どもの貧困」も課題になっていますが、特に親の支援を受けられない若者を最優先でサポートする必要があるとの認識から発足しました。
中心的な活動は、「若者おうえん基金」を通じて、自立援助ホームなどの現場の支援者に対し、単なる金銭提供ではなく「伴走型支援」のための助成金を提供し、若者の自立を支えています。また、現場から見えてくる実態に基づき、国に対し若者支援に関する政策提言を毎年実施しています。顧問である村木厚子氏の力添えもあり、我々の提言内容が児童福祉法の改正にも盛り込まれ、支援体制の拡充に貢献することができてきました。さらには、生協との連携により、働くことへの一歩が踏み出せない若者たちを職場で受け入れていただき、職員の皆様のサポートを受け、体験就労プログラムも実施しています。今後とも、コープみらいの皆様とともに、若者を地域で育てていければ幸いです。
この度のご寄付、誠にありがとうございます。私は乳児院、児童養護施設、自立援助ホームで育ちました。18歳で施設を出た後、進学や生活の困難を経験しました。当時は「施設出身者の進学は贅沢」と言われる時代でしたが、現在では首都圏若者サポートネットワークの長年の政策提言により、児童福祉法が改正され、施設退所後の年齢制限が原則撤廃されるなど、支援が大きく改善されました。コープみらい様のような団体のご支援もあり、奨学金や生活費の面において安心して学べる若者が増えています。
一方で、社会的養護の制度上では保護されなかった虐待経験者や、家庭復帰後に困難を抱える若者など、支援の「はざま」に苦しむ若者が多くいます。「若者おうえん基金」は、行政の支援制度から漏れてしまう若者をサポートするためのシェアハウスやステップハウスへの助成を行っています。特に、個人の事情に応じた伴走型支援への助成は、他の助成金では救えない若者たちを支える重要な仕組みとなっています。
私は、北海道から沖縄まで全国にいる虐待を経験した子たちと繋がっていて「REALVOICE」という映画も制作しましたが、現在では杉並区に「まこHOUSE」といって、自宅を解放した居場所事業を行うなど、若者の声を聴くことを大切にしています。その中から分かる現場の実態に基づき、メンタルケアの公的支援の拡充などにも取り組みつつ、そもそもの根本的解決を目指した政策提言を継続して行っています。「今目の前にいる若者に必要なことは何か」を常に考えながら活動しています。今後ともご支援をよろしくお願いいたします。
コープみらい財団はコープみらいの社会活動を推進するために設立されました。今回の支援についても、コープみらいからの応援の気持ちを財団を通じて寄付という形でお贈りしています。
コープみらいでは「コープみらい・くらしと地域づくり助成」において、児童養護施設等を卒業した若者たちを支援する団体へ助成を行ったり、「コープみらい奨学金給付事業」でひとり親家庭の高校生を返済不要の奨学金で最大3年間応援しています。この奨学金制度は3万人を超える「奨学金応援サポーター」という組合員の募金により成り立っており、今年度は1,724人の奨学生を応援し、経済的理由で進学を諦めることのないよう、学校生活等で必要な場面に活用いただいています。
様々な事情で十分な準備ができず社会へ一人立ちする児童養護施設出身の若者に加え、同様に苦労する子どもたちが地域には倍以上いる現状を知り、大変心を痛めています。そのような現状に対し、困った時に相談できる人や居場所、金銭的支援といった伴走型支援を行う皆様の活動に大変感銘を受けました。
皆様の活動についてお伺いし、大人の思い込みで考える支援ではなく、若者が必要とすることに耳を傾けることが大切であると再認識させられました。また、対症療法ではなく、根本的な仕組みを変えていく必要があると感じます。
今回の寄付を機に、我々も若者たちの声を聴き、ともに学び、安心して社会への一歩を踏み出せるよう、温かい応援の輪を広げていきたいと思います。
2018年より開始している支援(寄付)で、社会的養護のもとに育った子ども・若者たちを支援してくれる方を広く募っています。継続での寄付だけでなく、一回ごとの寄付も受け付けているほか、クラウドファンディングにも取り組んでいます。
貧困・虐待などで親を頼れない若者に伴走支援を|若者おうえん基金
https://readyfor.jp/projects/wakamono2025